
八久和(やくわ)ダムは山形県鶴岡市八久和山、赤川水系八久和川に建設され昭和32年に竣工した東北電力の発電用ダムで堤高97,5m・堰堤長269.0mの重力式コンクリートダムで国土交通省管轄の月山ダムから20キロほど上流に進んだ先に位置しています。地図上では月山ダムから
八久和ダムまで林道が続き同路線より訪問が可能なように見えますが訪問当時は道路の途中から廃道となっているため車で通行どころか徒歩での踏破もほぼ不可能な状況となっていました。約20年前の記述では車での通行も可能だった月山ダムから
八久和ダムへの道をまずは行けるとこまで進んでみようと思と敢行。
八久和ダムまで約6キロの地点、ここは既に車両通行止地点のため徒歩で進んでいます。細い道でしたが路面はアスファルトできれいにきれいな印象で放置されている雰囲気ではありませんでした。もともと
八久和ダムは堤高90mオーバーのダムですから迫力ありますし最近になって下流に山形県代表の大きなダムが出来たからその人気にあやかって観光地化してるのかな~?なんて事を思いながらトボトボと進んでみました。

通行止基点より約2キロほど進むとアスファルト路面がプッツリ無くなります。ここを真っ直ぐ進むと行き止まりそうなのでしたから横にそれる道を進んでみます。道路脇に自転車がありましたがたしかにここまでは自転車でも難なく来られそうです。

しばらくオフロードを進むとやがて八久和川を跨ぐ紅葉橋が見えてきます。何か自動車が停まってる。ずいぶん前に車両通行止めの警告板があったけど気にしないで進みます。

この紅葉橋から
八久和ダムまで約5キロほどとなっています。さあ気合を入れて歩くど~!!!って前方を見てみると橋の先に道が無いように見えるのって気のせいでしょうか・・・?

橋の先のこれはもはや道ではない。。。。

えっとね。うんとね。
絶対無理。こんなの後5キロ歩くとか何の修行ですか?ということで負け犬は尻尾を巻いて退散です。自然界の力で抜群の防御力を誇る
八久和ダム。はたして一般人が八久和ダムへ辿り着く事は不可能なのだろうか!?
なーんて、実は八久和ダムに到達するためには別ルートが存在します。八久和ダムより八久和山を越えた先の荒沢地域には山形県管轄の荒沢ダムがありその付近を起点とする八久和峠を通るルート。こちら側のルートは八久和ダムの管理用通路として現在も生きている林道ですが一般車両は通行禁止らしいとの記述もちらほらとありましたが訪問当時は特にそのような警告等もなく決してスイスイとは言えないまでもぐりぐり号で八久和ダムに到達することが出来ました。

八久和ダムまでの総距離は16キロ強。
写真は八久和峠を越え八久和ダム湖の上流部あたりで荒沢地域から峠道を12キロ進んだあたりかな。道中は
ハンパない酷道でした。細心の注意で走行しても車体下部より強い衝撃を数回ほど感じる状況でパンクしなかったのが不思議なくらいの荒れ具合でした。とにかくスリル満点です^^;

「帰りどうしよう。。。(汗)」と後悔を開始した頃にようやく八久和ダムが姿を現します。訪問時の時刻は夕方5時前。いろいろトライしてようやく夕暮れ時の訪問となりました。


穏やかな風が流れゆっくりと揺れる湖面に映る八久和ダムの堤体がとても美しい。

堤体前面、穏やかな湖面とは対照的にゲートの一つが勢いよく放流中でした。

堤端は関係者以外立入禁止となっています。訪問時の八久和ダムは修繕工事中でしたが本日の作業は既に終了しており誰も居ません。

ダム脇より下流側、河川は見えず深い深い山の中という印象しか受けません。
「深い山の中に突如として現れる巨大建造物」 ダムにとっては使い古された表現ですが僕の訪問してきたダムの中で八久和ダムほどこの表現がしっくりと来るものはありませんでした。人里遠く離れた山中にたしかに八久和ダムは存在していました。

当時は山形県ダム遠征と称しいろいろと山形県のダムを訪問してきました。その中で一旦は訪問を断念しかけた八久和ダム。道中はとても険しく事前の情報も少ない中で強引に訪問するも日没迫る夕暮れ時。現地の状況も分からない状況の中で辿り着いた八久和ダム。車で来れるが故の徒歩と異なる独特な恐怖を存分に味わいました。

夕暮れ時の八久和ダム訪問からの帰路、暗闇の中で恐怖は深刻なものとなります。ここを延々と荒れた山道を走ることとなりました。
地図はこちらをクリック→ (DamMaps・八久和ダム)
当時の僕はダムにハマってラリパッパ♪な状態でしたので今でこそ思うのですが単独での八久和ダム訪問は本当に危険です。下流側からの月山ダムルートは既に廃道な上に自然の力で自然に還りかけてるレベルでした。廃道好きな方からちょいちょいアクセスいただくのでちょっと調べてみると実際にココを突き進んで八久和ダムに到達された猛者も居るみたい。しかも単独とか^^;
今回僕が使った監査ルートも安全なものではありません。八久和ダムは遠隔操作が基本ですから異常事態や定期点検でもない限り監査ルートを通る車も人も居ません。今回はなんとか無事に帰ってきましたが今思うとゾッとします。八久和ダムは山奥と言われるところを更に10k以上進んだ場所にあります。道中で車が故障したら
遭難。季節が冬なら限りなく
死かも。八久和ダムに限らず観光地化されていないダムには単独訪問しないことをオヌヌメします♪アンタは生きなきゃいけない人だぜっ!!安全が第一だよNE☆彡
2010年10月 公開
2017年 4月 更新