アースダム

埼玉県 円良田湖(つぶらだこ) 昭和29年 竣工
アースダムは主に土を用い、台形状に形成して建設するダム。アースフィルダム・土堰堤とも呼ばれる。
ダムとしては最も古典的な型式で、全国各地に散らばる「ため池」はこの形式で建設されている。
均一に台形状に盛り土を行って堰堤を形成する為、均一型フィルダムと呼ばれる場合もある。
小規模なダムに関しては単に盛り土を行う工法が多いが、一部の大規模なアースダムに関しては安全性の為に堤体内中心部に土質遮水壁(コア)を設ける場合もある。

神奈川県 相模原沈殿地 昭和27年 竣工
主に灌漑目的で建設され、降水量の少ない地域、特に岡山県・香川県等に多い。
上水道目的で建設される例は1891年に長崎市水道局が建設した本河内高部ダムが最初で、その後東京都によって狭山湖や多摩湖、戦後には水資源開発公団によって総貯水容量の大きい大規模アースダムが利根川水系や木曽川水系等で建設された。
この中には河道外であったり湛水出来るだけの水量を持たない為他の河川から導水して貯水し、用水路の調整池として建設されるケースもある。
但し積極的な洪水調節機能には余り向いておらず、多目的ダム・治水・防災ダムとして建設されるケースは少ない。
更に水位変動の激しい発電用として建設されるケースは大野ダム(相模川水系谷田川・東京電力株式会社)等極めて少数である。

山梨県 大野(おおの)ダム 大正3年 竣工
ダムの型式別では日本で最多で、堤高15m以下のものを含めると正確な基数は不明。奈良時代や平安時代では行基や空海といった博識の仏法僧が優れた土木技術知識を駆使してダム建設に携わっていた。
日本最古のダムは7世紀前半に築造されたと「古事記」・「日本書紀」にも伝えられる狭山池ダム(大阪府)である。
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