
露店販売用のクルマをそのままテナントに突っ込んだ豪快さが特徴のおでん屋さん。店内は色々と誤魔化してる感はあるものの暖かみのあるアットホームなお店。僕の家から歩いて5分くらいの場所にありましたから当時はしょっちゅう通っては飲んだ暮れてました。( ´艸`)店主には親子二代でお世話になっていて僕がお店に行くと「あ!ぐりぐり君おかえり~!ぐりぐり君のお母さんにはホントに世話になったからね^^今日も最初はウーロンパイパイ(笑)でいいのかな?」という会話からはじまります。店主は色々と苦労されていて当時の店主の状況は昼はスーパーの鮮魚コーナーで仕事し夜はおでん屋を営むような感じでした。ぐっすり寝る時間なんて当然ないわけで、お客さんの少ない平日の夜にちょこっと顔を出したとき、まだ誰も来ていない店内でおでんの仕込みを終えた店主がクルマの中でこっくりこっくりしていたのを覚えています。そのままそっと寝かせてあげたい気持ちもあったのですが売り上げに貢献した方が喜ばれると思い叩き起しました。だって飲みたかったんだもん、男の子だもん( ´艸`)
僕は当時もカメラにハマっていて店主はそのことをよく知っていましたからある日「お店に来たお客を撮ってほしいんだ^^いくらか払うからさ^^」と頼まれました。お金をいただくどころか僕はただ写真が好きなだけで当時は人物なんて撮ったことはなかったので困りました。撮った写真の使い方や店主の想いを聞いて、印刷代とかの実費と最初の一杯目(ウーロンパイパイ♪)サービスという条件で承諾しました。でも実際は特に写真を頑張った日などは「ぐりぐり君、今日はいいから^^」で全ゴチになったりと好待遇。これはプレッシャー過ぎる💦今思うと一連の事は店主の構想もありましたがたぶん写真練習できる場所を店主が僕に与えてくれたというのが本当のように思います。タダ酒飲んで写真練習もさせてもらえて、えっとこれは何のパラダイス銀河ですか?
そんなこんなで数ヵ月後、店主が希望していたお客様いっぱいのパネルが完成しました。かなり大型のパネルでしたが全部で6枚になりました。パネルはお店の新たな雰囲気として数年お店に飾られることとなります。その写真の中の一部を抜粋


現在は移転をされてここにおでん屋さんはありません。移転先は同じ市内なのですが僕の自宅からは遠方でしたし僕自身もしばらく都内で暮らしていましたのでなかなかお店に行く機会はありませんでした。さらに数年が経ち、最近になってようやく移転先のお店に顔を出すことができました。個人経営のお店なのでそれなりですが以前と違ってきれいで立派なお店でした。(店主ずいぶん貯めこんでやがったな。違)そして、お店の一番目立つ場所にあのパネルは飾られていました。
込み上げる何かを抑えられず涙しました。
2009年6月 公開
2017年5月 更新