神奈川県 沼本ダム

沼本ダム(ぬまもとダム)は、相模原市緑区三井(旧相模原市津久井町三井)に灌漑・上水道用水・発電を目的として昭和18年に竣工した堰堤高34.5m、堰堤幅126mの重力式コンクリートダムです。
昭和40年に下流数キロ先に城山ダムが完成したことにより沼本ダム本体は半水没してしまいますが、現在でも調整池としての機能は現役であり、揚水発電用のダムの本沢ダムまで水を汲み上げ電気使用ピーク時のピーク発電を行っています。
下流に規模の大きなダムが完成すると上流近辺にある古いダムは水没してしまうため廃棄されるケースがほとんどですが、この沼本ダムは半水没という全国でも珍しいケースのため「幻のダム」とも言われているらしい。
それでも下流の城山ダムが満水の時は水位は沼本調整池より上になってしまいます。
地元なので訪問回数は複数回

沼本ダム直上
この階段の先に沼本ダムがありますがここは立ち入り禁止となっています。
階段の長さにびっくり!仮に訪問許可頂いてもここを下るのは躊躇しそう・・・。

階段最上段の脇から辛うじてダムを拝むことができます。
訪問当時は雨で雑草がヘタっていたので普段よりもうちょっと見えた?
ゲートを操作するためのワイヤー巻上げ機械が黄緑色にペイントされている。
下流側と調整池側の水位は1mもない感じです。

日は替わって左岸側からトライしてみましょう。
ちなみにここは度重なる崩落により通行止めになっており、近辺に立派な道路があるのでほぼ復旧される可能性の無い旧道です。危険な箇所なので詳細は伏せさせて頂くと共に進入を促す目的ではありません。
また、通行止め箇所なので通行には許可が必要です。
<厚木土木事務所津久井治水センター> TEL:042-784-1111

本当に危険!ガードレールが土砂を受け止めているような状況・・・。
ちなみに進入当時、地元の方とやたらすれ違った。何故だ???
で、なんとか無事に生還できたので撮ってきた沼本ダムをUPします。

訪問時は巨大な流木が堤体にひっかかっていました。
台風か何かの洪水の名残だろうか?
ただ、洪水ともなると水位は流木の場所まで上昇することは素人目でも解りました。

高度経済成長時、エネルギー需要の拡大により下流に大型ダムが建設されたことにより半没してしまったダム。このような姿になりながらもダムとしての機能を失わず神奈川県の高度な水運用の一翼を担う「幻のダム」
私たちの生活を支えてくれているダムが此処にひっそりと存在していました。
地元の相模原住民の方でも沼本ダムの存在を知らない方が多くなんだか可哀想です。
もっともっと陽の目を見せてあげたいですね。
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damu
はじめまして。ダムのこと、調べています。貴殿の沼本ダムの写真を拝見したのは、神奈川県に明治37年に創られた小さなダム落合ダムを探している過程でてす。落差式のダムです。この成功により、さらなる大規模ダムに進んでいきました。その意味で、非常に意義あるものと思います。以前、確か地図とHPでみつけたのですが、規模が小さく、その後の大規模な開発に飲み込まれつつあった記事だった記憶があります。ダムに詳しい グリグリさんなら、何かご存知かと思い、ご連絡いたしました。まさに、幻のダム.神奈川県 落合ダムについて、感想などご連絡いただければ幸いです。
| sumiko | 2015/02/01 | URL |